革命的なサービスアイデアの出し方。「課題解決」な発想をするための3つのポイント | hajipion.com

サービスアイデア発想の基本は「課題解決」です。

「課題解決」のためのフレームワークというのはこの世にいくつか存在しますが、どちらかというと大企業の経営戦略で役立ちそうなフレームワークが多いし、小難しい…。

今回は主にWebやアプリで新しいサービスアイデアを出そうとしている方々のために、「課題解決」なアイデアを出すための3つのポイントをご紹介します。

「課題解決」なアイデアを出すための3つのポイント

  1. Objective – より本質的な課題はないか考えてみる
  2. Perspective – 別の人の視点から考えてみる
  3. Scope – 体験の期間を変えて考えてみる

 

1. Objective – より本質的な課題はないか考えてみる

ある課題に対して、その課題を解決することが本当に正しいのか今一度考えてみましょう。

「課題解決」において最も重要なのは、本当に解決すべき課題を見つけることです。

今、目の前にそびえ立つ課題の裏に、なにか大きな課題が隠れていませんか?

objective

具体的な例をご紹介します。

例:混みすぎディズニーランドの「課題解決」

ディズニーランドは、特に人気アトラクションにおいて「並ぶ時間が長い」という課題を抱えています。

ひどいときは3時間とか並びますからね……並んでるだけで1日が終わりそう。

disney

さて、この課題の解決策を順当に考えると、列などをうまく整理したりファストパスを提供して「並ぶ時間を短くする」というソリューションに落ち着くと思います。

しかしディズニーはそれだけでなく、建物の外装や内装によって並んでる間にアトラクションの世界観を味わってもらう、つまり「並んでいる3時間を楽しんでもらう」ことで、「並ぶ時間が長い」に対する課題解決をおこないました。

disneyの課題解決

「混雑」という目前の問題ではなく、そのうしろに隠れている「退屈」という問題を解決した例です。

本当に解決すべき課題の設定がいかに重要か、この例でよく分かりますね。

2. Perspective – 別の人の視点から考えてみる

誰かの幸せは、誰かの不幸の上に成り立っているものです。

しかし逆に考えれば、誰かの抱える課題は、誰かの役に立つのかもしれません。

その課題をリサイクルして幸せのスパイラルを生み出せないか、色々な人の立場にたって考えてみましょう。

perspective

こちらもひとつ例をご紹介します。

例:イラつく文字認証の「課題解決」

セキュリティ機能のひとつである文字認証、入力したことありますよね?

CAPTCHA

これの正式名称は「CAPTCHA」というのですが、いちいち読みにくい文字を読み取って入力する作業を強要されることにイラつく人も少なくはありません。しかもその行動には、なんの生産性もない。

その無駄な時間を有効活用させるため「reCAPTCHA」プロジェクトというものがアメリカの大学で発足しました。

本のデジタル化のためのスキャンにおいて、紙が古かったりしてコンピュータがうまく認識できない文字がしばしば存在しますが、彼らのアイデアはその文字を「CAPTCHA」において入力させる文字にするというものです。

reCAPTCHA

彼らはまず入力させる単語を2単語にし、そのうちの1単語をスキャンでコンピュータが認識できなかった文字にしました。

そして文字認証の際、10人の異なる人がその1単語に対してすべて同じ文字を打ち込んだら、打ち込まれた単語が正しい文字と認識して登録されるのです。

captchaの課題解決

この仕組みが導入されてから、「イラつく文字認証」のおかげで年間250万冊もの本がデジタル化されています。

一見すると非生産的な行動を、世の中の誰かの役に立つような仕組みに変えてしまう。

これぞ革命的なアイデアですね。

3. Scope – 体験の期間を変えて考えてみる

こちらは「課題解決」というよりは「UX(ユーザー体験)」の設計よりの話です。

あるサービスをユーザーに体験させるとき、その体験の期間自体をもっと広げられないか、もしくはあえて狭めることでより価値を提供できないか、ということを考えてみてください。

scope

例:スターバックスの「UX(ユーザー体験)」

「スターバックスは何屋さんですか?」と訊かれたら、なんと答えるべきでしょうか。

やっぱりコーヒー屋さん?

Starbucks

たしかにスターバックスのメイン商品はコーヒーですが、しかし「コーヒーが美味しいからこそスタバに行く」人は大多数ではないように思えます。

「あの店員さんの丁寧な接客や、追い出されることなくゆったりとできる居心地、あの雰囲気全体がクセになって、ついつい喫茶店としてスタバを選んでしまう。」

……もちろんお客さんの全員が全員そうではありません。しかし、お客さんにそんなお店であると思ってもらえるよう、スターバックスが綿密にサービスデザインをおこなっていることは明らかです。

スタバのUXD

スターバックスは、「コーヒーを飲む」という一時的な体験だけではなく、「スタバに入り、店員さんと楽しくおしゃべりし、心地よくコーヒーを飲み、MacbookAirを取り出してドヤ顔をし、 好きなだけくつろいだら、満足してお店を出る」という、より広い時間の体験を提供しているのです。

サービスのアイデアを考える際は、一時的なUXの提供に囚われすぎていないか注意し、もっと広い視点でサービス設計できないかを常に考えられるといいですね。

以上、「課題解決」なサービスアイデアを出すときに役立つ3つのポイントでした!

「課題解決」や「サービスアイデア」に関して、より詳しく知りたい人にはこちらの本がオススメです。

  

Hajime Hirono

Written by

広野 萌(ひろの はじめ)

@hajipion
ブログは note にお引越ししました

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