こんにちは。

先日ヤフー主催の24時間ハッカソン「Hack Day Japan 2016」でグランプリをもらい、受賞コメントで「24年+1日でつくりあげたものだと思ってます」なんつー気取ったクソコメントを発したあげく特に話題にもならなかった広野です。

めざましテレビでも放映されたのは長々としゃべった僕の取材コメントではなく我がチームのエンジニアによるアプリの説明でしたね。

くぅー!目立ちてぇ〜!

さておき、今回はつくったものは「グルメスパイ」というもの。

グルメスパイ使用

スマホを一瞬料理にかざすだけで写真を撮ってくれて、さらに自動で美味しそうに加工してくれて、ついでにツイッターに勝手に投稿してくれるアプリです。
仕組みとかはこのページに

グランプリ受賞理由は以下の3つ。
① 課題が明確で分かりやすい
② 社会問題を解決してくれそうなアイデアである
③ そのアイデアを実装に落とし込めている

学生時代「Open Hack Day 2」で最優秀賞をもらったSmartWalk(堂々と歩きスマホできるアプリ)もそうだけど、「みんなが納得しきれてないままルール化されてること」に対するソリューションって結構ウケがいいんですね。

なので世の中に顕在するマナーに対するアンチテーゼからはじめるアイデアブレストとか結構オススメです。
「電車内で電話しちゃダメとか意味分かんねーよな!」とか。
「食事中にスマホいじって何が悪いんだよ!」とか。
まず不満を爆発させてから、それなんとかできないかな?につなげるといいアイデアが出ることが多いですよ。

さて話は飛びますが、こういったモノづくりイベントで最も重要なのは「アイデアをだす力」ではなく「企画力」です。
アイデアは「思いつき」、企画はその「実現方法」。

アイデアは夢を語るようにどんどん出すべきです。
自分で「これはないな…」と思うようなアイデアだとしても、メモをとって残しておいたり人に話したりしているうちに、その量産したゴミの中からふとダイヤモンドの原石を見つけることがあります。(この真贋を見極める力はいわゆるセンスと呼ばれるもので、先天的にもっている人もいれば、経験を積みまくって会得する人もいます)

その原石の磨くことが「企画」という作業です。

グルメスパイも最初は「スマホを料理にかざした瞬間にカメラがバシャシャシャシャシャ!!!って連写し始めたらオモシロクネ?」なんてくだらないアイデアから始まりました。

そこから「一瞬かざすだけで料理の写真を勝手に撮ってくれるアプリ」となり、これHackDayでつくろうかなんて皆でワイワイ。

でもよく考えてみると、たしかに「料理の写真を撮るとき周りの目が気になる」という課題は共感を得られそうだしおもしろいけれど、このままプロダクトに落としこむと、ただの「料理を連写するカメラアプリ」になってしまう。

面白くないことはないけど、なんていうか、面白いだけ?
つくるのも24時間どころか30分でできそうだし…。

となったところで、ここからが「企画」の作業です。

企画は、ある面では「面白いものをつくること」ではなく「面白いだけじゃなくすること」といえます。
ただ単純に面白いものから、誰かの課題を解決するような「目的をもった面白いもの」へ。

課題解決な発想法については去年書いた記事(革命的なサービスアイデアの出し方。「課題解決」な発想をするための3つのポイント)にまとまっています。

グルメスパイは、この記事でいうところの「Scope」にのっとり、体験の期間を変えて考えてみました。料理の写真を撮る前や撮った後、ユーザーは何をしているのか。

たとえば撮る前は、スマホを机においてすぐに写真を撮れるようにしておく。
たとえば撮った後は、写真を美味しそうに加工して、ツイッターやインスタグラムにアップする。

言うまでもなく、これらの体験すべてを自動化することにより、グルメスパイというプロダクトが生まれたのです。

gourmetspymainvisual

アプリの説明は一言でわかりやすく「誰にも気づかれず料理が撮れるアプリ」とうたっていますが、それだけの機能ではグランプリどころかひとつも賞を取れなかったでしょう。
これがゴミみたいな「アイデア」の種です。

そこに「勝手に美味しそうに加工してくれる」という(技術的に困難だけどできたらすごい)機能を付与し、さらにその先の「SNSへの共有」で承認欲求を満たさせるなんていう余計なお世話も交えることによって、ひとつの食事体験に関する一気通貫のユーザーストーリーを提供することができ、最終的に勝てる「企画」に変わったのでした。

mechanism

ユーザーにとって一気通貫のシナリオだからこそ、共感も得やすいし、伝わりやすいし、なにより開発にブレがありません。

このように、プロダクトの企画はコンテキストを重視するにせよ極めて論理的におこなわれる作業です。

おそらくモノづくりに携わる人にとっては普段の仕事に通じるところもあると思いますので、今後ともぜひ「面白いもの」ではなく「面白いだけじゃないもの」をつくってくださいませ。

アイデアの種を、あなたの企画力という水でもって、花を咲かせてあげましょう。

(き、きまった〜!これは話題になるぞ〜!?)

Hajime Hirono

Written by

広野 萌(ひろの はじめ)

株式会社FOLIO CDO。
1992年2月京都生まれ、早稲田大学文化構想学部卒、ヤフー出身。
UI/UXデザインとコンセプトメイキングが得意です。
代表作に「inShade」「INTEMPO」など。

» 経歴・受賞歴・ポートフォリオ

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