ASO(App Store最適化)という言葉を知っているでしょうか。
iTunes ConnectでiOSアプリを申請する際、「タイトル」「キーワード」「説明文」「スクリーンショット」を上手に構成して、App Storeにおいてアプリをより多くの人目に触れさせることです。
僕はもともとSEOを得意としてましたが、先日とある取引先からASO案件が回ってきたのでおそるおそるコンサルティングしたところ、あるアプリのダウンロード数が約10倍になりました。
マーケティング施策と重なったこともひとつの理由ですが、これはなかなかいい結果。
そこで今回は、実際にその件でも使ったASOのテクニックを簡単にまとめました。申請の際はぜひご参考にしてください。
1. タイトル
まずタイトルを作る上での心がけとして、App Storeでアプリを落とそうと思っている人たちは「タイトルしか見ない」と思っておいてください。
タイトルに馬鹿正直に「アプリ名だけ」を入れている人も結構いますが、有名サービスでもない限り、初めてそのアプリを見た人にとって「アプリ名だけ」ではそれが何のアプリか分かりません。
その結果、検索リストやランキングリストの画面からタップされる機会を逃してしまう可能性があります。
なのでなるべく、そのアプリを表すメインキーワードと共にタイトルを構成しましょう。以下にその作り方を「拡散」「収束」「並替」の3つに分けてご紹介します。
1-1. 拡散:キーワードは日常語で
まず、そのアプリを表すキーワードを10個以上だしてください。
その際出すワードはなるべく「日常会話で使う」言葉の方がいいです。
たとえば「フォト」ではなく「写真」、「売買」ではなく「売る」と「買う」、「コミュニケーションツール」よりも「チャット」など。
サービス提供側目線の言葉になっていないか意識し、自分自身の体験から「検索言葉」を意識してください。
1-2. 収束:「A」×「B」×「C」のアプリ
出した複数のキーワードから、大事なものを3~4つ選びましょう。
「これがないとアプリを説明することができない」くらい大事なキーワードが好ましいですね。
キーワードが正しければ、“「A」×「B」×「C」のアプリ” といって成立するはずです。
キーワードを出したらひとつの文にしていきます。
上の例でいうと、
という感じです。
ここでは「述語をひとつにする」ことを意識するといいです。
複数の述語を入れてしまうと結局何ができるアプリなのかピンときません。
例を出すと、メルカリは「売る」のも「買う」のもどちらもかんたんにできるフリマアプリですが、AppStoreのタイトルは「ショッピング」という言葉で占めており、ここでは「買う」側の人に重きをおいてプロモーションしていることが分かります。
あれもいれたいこれもいれたい……になってしまいがちですが、思い切ってターゲットも言葉も絞ってしまいましょう!
1-3. 並替:大事なことは18文字以内に
デバイスの大きさなどによりますが、たとえばiPhone5では検索一覧やランキング一覧においてタイトルは、全て全角と仮定すると18~20文字しか見えません。
つまりこの18文字で「タップさせよう」と思わせなければタイトルの失敗なわけです。
言葉の並びを見て、伝えたいことが18文字以内に入っているかどうかをもう一回見直してみてください。
アプリ名(ブランド)よりも何ができるアプリなのかを優先的に伝えたいのであれば、下の例のように、後ろの方にアプリ名を入れる方法もありです。(なかなか見ないですが)
逆に有名サービスはブランドだけでDLしてもらえるので、アプリ名しかいれてませんね。
これはこれでひとつの戦略です。
2. キーワード
次にキーワードをつくります。
App Storeにこのキーワード自体が表示されることはありませんが、検索で引っかけるためには非常に重要ですので、慎重に選びましょう。
ちなみにタイトルに入っている言葉は自動的にキーワードになるので、アプリ名なんかは入れなくてもOKです。
2-1. 表記揺れ:考えうる限り出す
アルファベットのアプリ名の場合、ひらがなで検索される可能性や、スペルミスなどの表記揺れも考慮してキーワードに入れましょう。
先日申請したアプリ「INTEMPO」の場合、「いんてんぽ」「intenpo」「乗り換え」「乗換」など、様々な表記揺れの可能性を考え、キーワードに入れました。
その他、
読み間違い(「Vine」→「ヴィン」)や、
略称(「MixChannel」→「ミクチャ」)
あたりも抑えておくといいかもしれませんね。
実際、App Storeで「みくちゃ」と検索してみたらMixChannelが一番上にきます。
このときのコツは「超アホになること」です。
超アホだったら、このアプリをどう読み間違えるだろう、どうスペルミスするだろう……
Yahoo! → やほー
Google → ごーぐれ
Chrome → ちょろめ
Twitter → tuittar
……賢い人ほど難しいかもしれませんが、頑張って超アホになってみてください。ちなみに僕は賢いので苦手です。
2-2. 複合名詞:単体キーワードにする
キーワードにおいて、複合名詞はできるだけ分解しましょう。
たとえば「爆笑動画」だったら「爆笑」と「動画」で分けたほうがいいです。
なぜならば、キーワードに関しては「一部ヒット」ではなく「一致」で判定しているようなので、単純に考えて検索ワードにひっかかる可能性が2倍になるからです。
2-3. 大衆迎合:サジェストキーワードを入れてみる
App Storeの検索エリアで、そのアプリに関係する大きなキーワードをひとつだけ入れてみてください。
たとえば「音楽」といれると……
「音楽」というワードと一緒に「人によく検索されるワード」の候補がでてきます。
つまり、ここで出たワードこそチャンス!!
そのワードの中から、自分のアプリに当てはまるワードを積極的に入れるといいでしょう。
先ほどの例をみると、「音楽」は「ダウンロード」という言葉と相性がよさそうですね。
続いて「オフライン」という言葉もありますが、これはちょっと前に話題になったAWAやLINE Musicなどの定額制音楽配信サービスの影響や、通信速度制限にも起因してよく検索されているのかもしれません。
こうしてみると、意外と時代の流れや競合の動向にもよって検索されるキーワードは変わってくるので、ASOは定期的な見直しが大事だということが分かりますね。
ちなみに、多くの人はあらゆるワードに「無料」とか「アプリ」とつけて検索するようなので、もしキーワードのスペースが余っていたら入れて損はないと思います。
3. 説明文
さて遂に説明文です。
説明文は「さらに見る」を押さないと全文が見られず、その時点で人数がかなり絞られますので、「どうせそんな人あんまりいないし別に適当でいいか」と思われるかもしれません…。
しかし逆に考えれば、わざわざ説明文を全文読む人というのは、「すぐにアプリをインストールしようとは思わないけどこの説明文の内容次第でインストールするかどうか決めよう」の人なわけです。
すなわち、そのアプリをインストールするかしないかは、説明文にかかっている…!
3-1. 入魂せよ:その4行に命をかける
「さらに見る」を押さなければ、説明文は4行程度しか見られません。(デバイスによって変わります)
ということは、この4行で「もっと見る」を押したくなる、もしくはその4行だけでインストールしたくなるように仕向けなければならないということ。
キャッチーな言葉や、後述する「実績」などは最初の4行に詰め込んでしまいましょう。
3-2. 自慢せよ:「全米が泣いた」理論
「1000万ダウンロード突破!!」……と書いてあると、数字の大きさはよくわからないけど(え、すごそう)と思いますよね。
つまり皆が使っていることの証明。
周りの人が右を向いたら右を向く日本人としては心動かずにいられない。
何が言いたいかというと、なりふり構わず自慢せよってことです。
映画の予告だってよく「観客動員数○○万人突破!」だとか「総製作費○○億円!」だとか大きな数字を使って堂々と自慢してますよね。
また、本の帯にもよく「○○賞受賞!」「あの××も絶賛!」などとあるように多くの人は「他者からの高評価」にも心惹かれるので、もし受賞実績や選出実績があれば積極的に記載しましょう。
特に自慢を思いつかない人は、「全国の人に使われています!」「世界最大級の○○!」「超大人気アプリ!」「日本中のユーザー大絶賛!」……などなど、
特に事実を確かめようもない曖昧な自慢をするといいかもしれません。
何も言わないよりは、ちょっと虚勢を張ったくらいがちょうどいいのです。
(ちなみに僕はこれを「全米が泣いた」理論と読んでいます。)
3-3. 羅列せよ:残念ながら人は文章を読まない
説明文はなるべくリストで項目を羅列して書きましょう。
いくら情熱を込めて書いても、いくら文才が優れていても、長々しく詰め詰めの文章は残念ながら多くの人がスルーします。
リストは一瞥するだけで内容が把握しやすいので、見ている人にきちんとアプリの内容を伝えることができます。
文章にするにしても、きちんと題を設けて長ったらしくならないようにしたり、モバイルで見たときの改行を意識しながら書くことをオススメします。
Twitterの例をだすと、「羅列」はしてるんですが……
一行一行が長い上に空行を入れていないので、読みづらくなってますね。
全体としても、細かい部分でも、「人が読みやすいと思う文章」を心がけましょう。
4. スクリーンショット
最後にスクリーンショットの作り方です。
詳細に触れてしまうとデザインの話になってくるので、作り方のコツというよりかは、流行や注意点をいくつか述べる程度にしますね。
4-1. アピール:馬鹿正直じゃなくていい
各サイズの「スクリーンショット」を馬鹿正直にシミュレーターで撮るのもいいですが、現在の主流はスクリーンショットと共にアピールポイントを記載することです。
ビデオプレビューを除いて5枚の画像をアップロードできるので、
まずは「1.アピールしたいことを整理」し、「2.それを5つに分けて」、「3.それぞれ最適なスクリーンショットと共にイメージをつくる」という順番でつくってみるといいかもしれませんね。
4-2. スケール:スマホで見ると驚くほど小さい
スクリーンショットだから画面フルサイズで見られるのだろうと思っていたらそれは間違いです。
思い出してみてください。アプリのページにきたときのスクリーンショットは……
こんなにも小さいのです!
たとえタップして大きくしてもこんな。
一番大きくてもスマホのフルサイズにはなりえない。
普通のアプリのページをつくるように訴求文言やイメージをつくってしまいがちですが、これを考えると「でかすぎる」くらいがちょうどいい気がしてきませんか?
ちなみにヤフーはその点をかなり意識しているようで、あらゆるアプリのスクリーンショットにおいて大きめの文字でドーンとアピールしています。
App Storeにおける訴求イメージは、出来栄えの美しさよりも、アピールポイントをダイナミックに伝えることこそが何よりも大事なのです。
4-3. シンプル:ひとつの画面にひとつの意味
言いたいことがたくさんあるからといって、ひとつの画像にいくつもいくつも詰め込んでしまうと、読み飛ばされるどころか(なんか難しそう)と思われてしまい、そのページからユーザーを離脱させかねません。
言いたいことをきちんと絞った上、ひとつの画面にひとつの意味しか持たせないようにしましょう。
また、アピールポイントとして書いた「言葉」と「スクリーンショット」は関連のあるものにしましょう。
上の「言葉」と下の「スクリーンショット」が関係なくバラバラのものがよく見受けられますが、文字とイメージが一致してないというのは……
すなわちこう見えてるということです。
「ひとつひとつをポスターのようにクリエイティブとして完結させる」ように、気をつけてみてください。
以上、僕なりのApp Store攻略法でした。
基礎的なことばかりでしたが、逆にいえば基礎だけをしっかりこなせば結果はついてくるのです!(予備校講師感)
5. ASOが強くなりたい人にオススメな本
ASOの考えは、根本的にSEOの考えと一緒です。
つまりSEOができればASOもできる!
最近発売されたSEOに関する良書があるので、興味があればこちら読んでみてください。
↓こちらの本は、iPhoneアプリをきちんとプロモーションしたいと思う人にオススメ。