実はつくってましたLINEスタンプ
先日、こっそりつくっていたLINEスタンプが承認され、ストアに公開されました。
これによって、イラストとか描けなくてもLINEスタンプだせるんだぜ ってことを証明したんですが、実はこのスタンプ、5月につくって申請したものなんです。
そう、つまり……
申請から承認まで8ヶ月かかりました。
その8ヶ月の間になにがあったのか。なぜ承認がおりなかったのか。
今回はその一部始終をお伝えします。
5月:制作〜申請
5月、まだLINEスタンプの数もそんなに多くなくて、クリエイターにとってはチャンスだった頃。
僕はイラストが描けないにも関わらず、LINEスタンプを遊び心でせっせとつくってました。
当然カワイイ系も癒し系もつくれないので、ネタ系で攻めようと考えます。たとえばミサワみたいな……
ミサワといえば、慶應の学生って本当にあんな感じだったな〜あれって客観的におもしろいよな〜という考えから派生し、実在の友だちをモデルにして とりあえずネタを考え始めました。
まずこのようにMacの「メモ」アプリに思いつく限りネタを書いていきます。
LINEスタンプは全部で40個必要なので、ブレストした中から40個まで厳選し、ネタづくりは終わり。
普段からtwitterで意識高い系botなどもフォローしていたので(笑)、ネタはわりとすんなり出ました。
さて、問題はイラスト!
棒人間とかにしようかな、とも思いましたが、この意識高い系スタンプは受け取った側が「うざい」「腹立つ」ことが大切なので、ビジュアルもなるべくうざくしないといけないと判断し、やはりきちんとイラストを描くことに。
それで描いてみたのが……
いつみてもひどい。
小学生でもこれよりましな絵を描きます。やはりデザイナーにはなれてもイラストレーターにはなれない。
何がいけないんだろう、そうだ、もっと服装は意識高くスーツとかどうだろう? なんか勢いある感じで、松岡修造みたいな感じで……
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・・
さて、これはイラストに限らず、一概に素人というのは、「なんかひどいのは分かるんだけれど、なにがひどいのかは分からない」もの。
そこでイラストも描けるデザイナーの友人に頼んで、フィードバックをもらうことに。
その友人に頂いた言葉は……
友人「ネタはうざくて面白いのに、イラストが全然うざくない。なんかキラキラしてる。ただの若いサラリーマンみたい。もっとドンヨリと、目が死んでるみたいな、苦学生みたいなのがいいと思う」
などなど、大変ためになるアドバイスを多くいただきました。
おしなべてその通り!
でも素人はまだまだ具体的にどうすればいいのか分かりません。差し出がましく聞き続けます。
僕「もっとうざくするにはどうすればいいんですか?」
友人「たとえばもっと目をこう気持ち悪く……そう、それでさらにほうれい線もちょっと加えたり……唇は気持ち悪く……」
……などのアドバイスを経て、できたのがこちら。
友人「うわ、うぜえ!」
その言葉を待ってました!!!!
あとは40パターンつくるだけです。
このイラストをベースに、手を動かしたり、目を変えてみたり……
ちなみにこれ、全部ペンツールで描いたパスです。(だってペンタブとかないし)
さて、そんなこんなでなんと 1週間 で出来上がったので、5月28日、早速申請することにしました。
6月:反応なし
なんと、1ヶ月経っても審査が始まりません。
申請数が多いにしても、遅いもんだな〜
いまかいまかと承認の日を待つばかり。
すると……!
7月:リジェクト〜再申請
以下のようなメールが……。
リ、リジェクト〜〜!!!
2ヶ月跨いでそれかい!!
リジェクト内容は……
LINE「× 出遭い → ○ 出会い です」(キリッ)
(わざとやってるんだけどなぁ……)
出逢いとか、出遭いとか、そういう漢字使うじゃないですか、意識高い人って。僕のfacebookだけですか?
でもまあ、「内容が公序良俗に反する」とかじゃなくて本当によかったです。
そんなこと言われたらもう何もつくれなくなっちゃうし、直しようがないから。
(※ちなみに僕は学生のとき、「女の子を指でなでたら笑顔になるアプリ」をひとりでObjective-C勉強しがてら開発して、やっとの思いで申請したらAppleから「そもそも公序良俗に反する」と言われてオジャンになりました)
なにはともあれ言い返したい気持ちをぐっと堪え、言われたとおりにそこを直して再申請。
僕よりあとにスタンプを申請したさっきの友人は、この時点でスタンプの承認がおりてました。
これからどんだけかかるんだろう………8月はいっちゃうかな〜
……とか甘いこと思ってました。
8月:反応なし
(遅いな〜でもそろそろかな?)と、まだ淡い期待を抱いています。
9月:反応なし
ここらへんで静かな怒りがわき始めます。
LINE株式会社のスタンプ部門(?)にはリソースが少ないのか、なんなのか。
10月:反応なし
もうひとりのイラストできるデザイナーの友人がLINEスタンプだして、1週間で20万くらい稼いでました。
なんて夢があるんだLINEスタンプ!
でも僕はスタートラインにすら立たせてもらえない!
11月:反応なし・再申請
もはや無感情。
しかし諦めない。
8月にちょっと審査してから全くアップデートされてなかったので、「おいこれどうなってんだ」という意味も込めて、
もうひとつ、全く同じ内容のスタンプを申請しました。
担当者に(あれ、この人同じ内容のスタンプ送ってる……あ、そういえばこれ放っておいたままだったな)と思わせる作戦です。
ちなみにタイトルは同じものが申請できなかったので、「!」を増やすという、しゃらくせえテクニックを使いました。(笑)
結果は成功で、一週間後に、もとのスタンプも含めて審査がアップデートされていました!
12月:反応なし
……と喜んだのもそのときだけ。
それ以来はまた、なーんの音沙汰もなし!
5月に申請して年内に出ないとかすごいな。
1月:再申請・承認
あけましておめでとうございます。
結局年越した!
さて、しかし僕は諦めの悪い男。
一回決めた目標は、達成するためならなんだってやります。執着心が強く粘着質であり貪欲で強欲で意地汚い!
勝つためならなんだってする!
またもうひとつ、全く同じ内容のスタンプを申請しました。
(まじで意地が悪い)
するとすると……!!!
その4日後の、1月13日……
キターーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
というわけで足掛け8ヶ月。
絵が描けない僕でもやっと、LINEスタンプの販売に至ったのでした。
8ヶ月かかった理由について
友人が1ヶ月足らずで承認がおりている一方で、なぜ8ヶ月も承認がおりなかったのか。
今まで散々文句言い散らしてましたが、これはLINE株式会社の怠慢でも、うっかりミスでもないと思います。
じゃあなぜなのか。
可能性が高いのは以下の2つの理由でしょう。
- クオリティが低すぎる
- 倫理的に問題がある
まず、クオリティの問題。
棒人間みたいな「ヘタウマ」スタンプが多く販売されているLINEクリエイターズマーケットにおいても、「もともとうまく描ける人があえて下手に描いてるもの」が多い印象です。
それに対して、このスタンプは 普通にクオリティに疑問を感じる。
よく通したと思います。
あと考えられるのは、まあネタがハイコンテクストすぎて、よくわからない上に、説明文に「某大学経済学部」とか書いててあきらかに慶應経済だし、倫理的に普通に問題が……
よく通したと思います。
ともかくそんなスタンプもしゃらくせえ手法でゴリ押しした結果、販売まで至りました。
せっかくなので皆さんもつかっていただければ嬉しいです。
第一印象よりも意外と使いどころがあります。(多分)
今年もどうぞよろしくお願いいたします。