マーケティングに携わる人ならほとんどの人が読んだであろう『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則』。
日本企業やアメリカ企業の実例も交えながらユニークに独自の(しかし普遍的な)マーケティング論を展開する本で、実際「マーケティングの教科書」といっている人もいるくらいの名著ですが、当然法則は22もあるわけで、読むのが結構たいへん。めんどい。
…という方のために、この本で言ってることを大きく3つにまとめました。
目次
1. 一番手になれ
人の心を変えようとするのは無駄な行為である。
なので「他の商品より優っている」ことよりも「最初に入りこむ」ことの方が大切。
勝つためには参入の一番手でなければならない。
マーケティングとは、知覚をめぐる戦いであって、商品をめぐる戦いではない。
なので、いくら「一番手よりいい商品」をつくっても、二番手は一番手に永久に勝てない。
2. 一番手になったら
2-1. ブランド名の独立
一番を維持するため、新たに登場するカテゴリーにそれぞれ異なるブランド名を使用しなければならない。
あるブランドが成功すると、会社はブランド成功の主な理由がブランドネームにあると思いがちだが、実際はその逆。
2-2. ファッドの回避
一時的流行現象(ファッド)は無視するどころか、避けなければならない。
マーケティングの長期的な効果は、短期的な効果とは正反対の場合が多い。
成功するマーケティング計画は、ファッドの上ではなく、トレンドの上に築かれる。
2-3. カテゴリーの宣伝
ブランドではなくカテゴリー自体を売り込むべし。
ブランドの話になると顧客は保守的になってしまうから。
また、心配しなくとも一番手ならカテゴリーが売れると自動的にそのブランドも売れる。
3. 一番手になれなかったら
3-1. 別のカテゴリーで一番手になる
一番手になれる新しいカテゴリーを作れ。
2つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植え付けることはできない。
マーケティングの基本は、焦点を絞り込むことである。
「多くの顧客が求めているから」といってそれを提供すればいいわけではない。
勝てるカテゴリーを追い求めるべし。
3-2. 二番手として一番手を殺しにかかる
最低でも二番手でなければならない。
長期的にみれば、あらゆる市場は二頭の競争になる。
自らが劣っている部分を認めて正直になるべき。
梯子の最上段にいるわけでもないのに「最高のサービス」などと見栄を張っても誰も信用してくれず振り向いてくれない。
顧客は、自らの問題点を進んで認める企業にはポジティブな評価を与える。
ナンバーワンのエッセンスとは反対のものを提供するべき。
ナンバーワンへの攻撃を止めてはならない。
ナンバーツーは臆病であってはならない。
以上のようにまとめてみましたが、具体的な実例(ペプシがなぜコーラに勝てないか、ホンダがなぜアメリカで一番になれたか、など)こそがこの本の面白いところなので、興味を持たれた方はぜひご一読ください。